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ムキンポの鼻☆スペリオール

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2007年9月号

連載第38回

Yasukunix 2007


 今年もまた「キンチョウの夏、ヤスクニの夏」がやってきた。しかし去年があまりにもの凄かったので(何しろ8月11日から16日までつづいた連日の反ヤスクニ直接行動のほとんどすべてに僕は参加し、その夜のうちに写真をアップし、毎日、睡眠時間3時間だった)、個人的には、正直、今年は、まあ、こんなものかあ、という、ちょっと物足りなさも残るヤスクニの夏ではあった(こんなこと書くと、多方面から顰蹙を買いそうだけど・・・)。
 報道によれば、小泉の参拝があった去年の8月15日の「参拝客」25万人に比して、今年は8.5万人減の16万5千人だったらしい(約3分の2ってことか)。それに比例して(かどうかは知らないけど)右翼の街宣車の数も去年と比較して格段に少なかったような印象を僕は受けた。
 朝10時半過ぎ、地下鉄の九段下駅に着き、照りつける陽射しのなか、大鳥居から拝殿へと向かった。神門のあたりで知らないおじさんにいきなり後ろから肩を抱かれ、騒動が起きるからここから先へは行くなよ、と足止めをくらう。参拝に来ただけなのに、なんで行っちゃいけないのさ? と条件反射的に反論してしまったが、なんか言葉が違うよなー、と後になって反省。こういうときは、参観に来ただけなのに、と言えばよかったかも。観光左翼に来ただけなのに、ではほんとにそこで阻止されかねないし。拝殿から戻って、売店の「晋ちゃんまんじゅう」を覗いたり、千鳥ヶ淵まで足を伸ばしたりしている間中、三尺下がって影を踏まないようにしてるのかどうか、即かず離れず、必ず僕と同じ方向に向かって、後ろや前や横を歩いてる別のおじさんがいた。イアフォンをつけてたけど、トルコ語の勉強でもしてるのかしら。


 そうこうしているうちに正午の黙祷の時間が迫ってきた。今年はこの辺かなー、と当たりをつけて、九段下交差点のあたりをうろうろしていると、中年のおじさん集団が、バスが俎橋を出て交差点を右折してこっちに向かってる、タイショウの前で話はやめてください、タイショウはあっち行ってろ、みたいなことを皆で大声で語り合ってた。それで撮ったバスの写真がこれである。中にどんな人たちが乗ってたのかはもちろん知らないけど、「靖国解体!」としびれる声で叫んでた。


 正午過ぎ、平和遺族会の平和行進に参加して、午後2時、西神田公園の集会&デモに向かった。名づけて『「美しい国」の「美しい死者」はいらない--国家による「慰霊・追悼」に反対する8.15集会とデモ』。今年、画期的だったのは、巨大な赤いバルーンとそこから吊された「靖国いらない」のピンクの垂れ幕だろう。残念ながら、風に流され、写真では大鳥居を背景にきれいに垂れ幕が立ってるところは撮りそこねたけど、こういうときは一眼レフで連射するといいんだろうね。来年はもっといい写真を撮りたい!




2007年8月15日(水)
Yasukunix 2007

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