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諌早湾干拓事業における「ムツゴロウ」の扱われ方と北朝鮮による日本人拉致疑惑における「横田めぐみ」さんの扱われ方とには似たようなセンティメンタリズムが流れていないか?
試しにinfoseekで「ムツゴロウ」と「横田めぐみ」を検索してみる。「横田めぐみ」で検索すると、産経新聞サイトの記事が頻繁に出てくる。それに対して、「ムツゴロウ」で検索するとごく僅かだが毎日新聞サイトの記事が出てくる。
〈産経新聞サイトの「横田めぐみ」さん関連記事〉
#めぐみさん拉致疑惑究明署名45万人に
#北朝鮮による日本人拉致疑惑関連年表
#編集長インタビュー 両親が語る横田めぐみさん事件(上)
〈毎日新聞サイトの「ムツゴロウ」関連記事〉
#特集・諌早干拓事業 [ムツゴロウの干潟から]
つづきは明日。
諌早湾干拓事業の有効性については多くの専門家から数々の疑義が提出されている。多額の税金を投入しながら、それに見合う経済上または防災上のメリットが少なく、環境/生態系への破壊ばかりがもたらされるというのが真実であるならば、事業はとりあえず凍結すべきであろう。
事業推進派の主に保守系議員たちから持ちだされた、ムツゴロウの命と人間の命とどちらが大事なんだ、という議論は、ムツゴロウを救え! というスローガンが一見情緒的であったのと同程度にきわめて情緒的な訴えであった。
僕は何らかの政治的運動を展開するに際して、イメージを多用して人びとのセンティメントに訴求するやり方を必ずしも一概に否定しない。ただそれを受け取る側に高度なリテラシーが要求されるということを僕たちは知っておかなければならない。
さて北朝鮮による日本人拉致疑惑についてだが、諌早湾の干拓事業について詳しい知識がないのと同様、それについても僕は詳しい事情を知らない。やはり巷間言われているように、北朝鮮政府が関与しているのではないか、という疑念を否定できない。もちろん日本政府は根気よく冷静に北朝鮮政府との交渉をつづけていくべきだろう。
ここで乱暴に僕の意見を言っておこう。横田めぐみさん事件を産経新聞がことさらに取りあげるのはなぜか、ということについてである(たとえば97年5月3日の「産經抄」参照)。横田めぐみさんは産経新聞にとってまことに都合のいいムツゴロウではないのか?
昭和52年(1977年)11月15日夕刻、新潟市で13歳の女子中学生がバドミントンの練習を終えて帰宅する途中、自宅を目の前にしながら忽然と姿を消した。新潟市立寄居中学1年、横田めぐみさんである・・・・・・(「正論」1997年10月号 編集長インタビュー〈両親が語る横田めぐみさん事件(上)〉)
13歳、女子中学生、バドミントン・・・・・・ といった小道具は、北朝鮮の「非道」を糾弾するのに、女性週刊誌やTVのワイドショウ受けのする、うってつけのアイテムである。
これはまことに雑駁できわめて偏見に満ちた印象であるが、多くの左翼的人間がムツゴロウに共感し、諌早湾の干拓事業に反対したのと対照的に、多くの保守層の人間が横田めぐみさんに共感し、北朝鮮を糾弾したということは言えまいか? 少なくとも、日頃、政治に関心をもたない層の人間を掘り起こすために、それらのアイテムが都合よく運動に利用された(されている)ということは言えるのではないか?
そういえば今日はオカマの日だった。みんな何かいいことあったかな?
僕はオカマの知り合いは何人もいるのでまったく偏見はありませんよ。うひゃひゃ。
☆
いつも読んでいる「異端経済学徒の日記」で共感できる意見を見つけた。「3月14日 未常識金融理論の時代」だ。
未常識金融理論というネーミングはKKCの「買えば買うほど儲かる未常識経済理論」から来ているのかな?
一時中断していた〈立花隆「同時代を撃つ」ホームページ〉がいつの間にか再開しているみたいだ。KKCについて知らない人は〈被害総額440兆円!「オレンジ」「KKC]より悪質な 国家的詐欺師たちはなぜ捕まらないのか(97/02/05)〉でも参照。
「式出ないと入学ダメ」──「祝う会」計画の所沢高 埼玉県教委
生徒の大半が卒業式をボイコットした埼玉県立所沢高校(内田達雄校長)で、在校生が今月9日の入学式のかわりに「入学を祝う会」を計画、県教育委員会が入学予定者の父母に「式に出なければ入学を許可しない」という通知を送っていたことがわかった。PTAなどは「信頼関係を破壊する行為」と反発している。(asahi.com)
埼玉県立所沢高校といえば、ついこの間も卒業生約400人が卒業式をボイコットしたということで話題になった高校だけれども、なかなかユニークな学校だね。
桐川卓雄・県教育長は「正当な理由なく入学式を欠席すれば、入学は認められない。ボイコットは『正当な理由』にはあたらない」と説明している。
とのことだが、入学式に出ないからといって、入学許可を取り消すというようなことができるんだろうか。仮に「正当な理由なく入学式を欠席すれば、入学は認められない」という県教育長の言葉を受け入れたとしても、1人1人について、それがボイコットの結果としての欠席なのか、あるいは病気など「正当な理由」にもとづく欠席なのか、確定することはできない筈だ。それとも過去に入学式を風邪で休んだような場合にも、「正当な理由」のない欠席であると強弁して、入学許可を取り消したようなケースがあるんだろうか。
単なる野次馬の僕としては、入学予定者が実際に入学式を欠席して、さらに騒動が大きくなれば面白いね。
なお「教職員側は先月26日、内田校長の罷免を求める決議をした」そうだ。
(参考リンク : 「所沢高校 News」)
「ムキンポひゃん、よいしょコーナー」でもお馴染みのさる艦長のところで面白いページを見つけたガマ。 「がまん和尚と・・・Ver3.99」 だガマ。
1日1ガマ!
ムキンポ Web 日記を初めて今日でちょうど1年が経った。
皆さん、これからもガマンポして読んでください。
今日のお薦め : 〈教徒大学のページ〉 「異端経済学徒の日記(4月)」
入学式をめぐり校長と生徒の主張が平行線をたどった埼玉県立所沢高校(内田達雄校長)で9日、校長主催の「入学式」と、生徒主催の「入学を祝う会」が、報道陣を締め出した同校体育館で別々に開催された。入学式では、内田校長の方針通り、日の丸掲揚と君が代斉唱が行われたが、出席したのは新入生の6割程度だった。その後には新入生全員が参加しての祝う会。(YOMIURI ON-LINE 「県立所沢高校で分裂入学式」)
入学式の欠席が約4割とは残念であった。卒業生約420人のうち、約400人がボイコットしたという3月9日の卒業式と比較すると見劣りがする。
しかし卒業生が卒業してしまえば学校とはもう日常的に縁が切れてしまうのと対象的に、新入生は「入学式に出席しなければ入学を許可しない」という埼玉県教委からの恫喝と、これから経常的に学校と関わっていかなくてはならないという現実のなかで、それでも新入生約400人のうちの約4割が欠席したということは評価されていいだろう。
「入学式」には約60人の教諭全員が出席し、校長は壇上から「ただいま名前を読み上げ、出席している者の入学を許可する。ただし、出席していない者についても、教育的配慮により入学を認める」と語ったという。その後、「入学を祝う会」にも出席した校長は、生徒や父母の間を歩き回って話しかけ、また2階席に上がったりしていたという。
あなたが所沢高校への入学予定者だったらどうしますか?
(参考リンク)
地球民塾 「所沢高校 News」
大友未来研究所 「所沢高校の卒業式ボイコット(980408)」
産経新聞 「所沢高校入学式、新入生の6割出席」
「所沢高校の入学式問題」
☆
ところで今日発売の「週刊文春」で、「少年A卒業式当日にストリップ見物」で名を馳せた友が丘中学の岩田信義前校長がまたまた面白い話題を提供してくれている。先ほど買ってきて読んだが、校長の豊かな人間性に触れることができるぞ。
独占掲載 あの友が丘中 校長が密かに投稿していた
マスコミ批判「川柳」と「短歌」
「嘘書いて弁明させるという取材」
「新聞の嘘が被害者傷つける」
「また嘘を書くために飛ぶヘリコプター」
(「朝日新聞」広告より)
「あの日、不覚にも尾行されていることに全く気がつきませんでした。 実は私のストリップ通いは大学時代からで、ここ数年でも、ヒマな時は1人でブラッと月2.3回は通っていたこともありました。(中略)
私はストリップ鑑賞が教育者として恥ずべきことだとは思っていませんが、自分の行動で他の先生方や生徒にも迷惑をかけてしまったことは、大変申し訳ないと思い反省しています」
(「週刊文春」記事より)
10日発売の「文藝春秋5月号」には「神戸・友が丘中学校校長手記 マスコミに言いたいこと 岩田信義 あの事件以来、私には笑うことも許されなかった」が載ってるよ。
(参考リンク)
『FOCUS 3月25日号』 「少年A卒業式当日にストリップ見物の校長」
『FOCUS 4月15日最新号』
〈スクープ! 少年A学校「指導要録」全文と自作ナメクジ漫画〉
『産経新聞』
〈所沢高入学式 「校長の判断支持」が大勢〉
〈所沢高校問題「私はこう思う」〉
〈内田校長会見「入学式の代わりにならぬ」〉
〈「自主性と野放図違う」〉
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